今日のビジネス環境は、常に変化し、高速で動いています。
そのため、多くのビジネスパーソンは日々のストレスと戦っています。
そこで役立つのが「マインドフルネス瞑想」。
マインドフルネス瞑想は、ただ座って息をするだけでなく、心と身体に多大な恩恵をもたらすことのできるものです。
この記事では、マインドフルネス瞑想とは?という部分から、
その効果、そして忙しいビジネスパーソンでも毎日実践できる簡単な方法を紹介します。
マインドフルネスの基本情報
マインドフルネスとは?
マインドフルネスとは、自分の感情や思考、身体の感覚に「気づく」ことです。
つまり、「今この瞬間に気付くこと」。
今イライラしている自分に気づけば、それはマインドフルネス。
逆に、自動的に思考が巡り、心がざわついているような状態を「マインドレスネス」と言います。
マインドフルネス瞑想では、このような自動思考に気付き、現在の瞬間に集中することで様々な効果が発揮される瞑想法になります。
なぜマインドレスネスは避けるべきか?
人間は日常的に大量に思考しています。
アメリカ国立科学財団の研究によれば、我々の脳は1日に1.2万回から6万回も思考することが分かっています。
自動思考というものがあり、あるできごとに直面したときや、まわりの人の言動に接した場合に、理由もなく反射的に考えが思い浮かぶことを言います。
この自動思考、特にネガティブなものは、心のエネルギーを大量に消費します。
実は脳のエネルギーの60%から80%が雑念に費やされていると言われていて、これにより、脳は疲れ、感情のコントロールが難しくなります。
このようにマインドレスネス、自動的思考が起きているような状況だとストレスを感じやすく、感情のコントロールもできなくなり、結果的にうつ病になったり人間関係がうまくいかなくなったりと社会での関わり方も難しくなってしまうのです。
そのため、マインドフルネスな状態でいることが大切なのです。
マインドフルネス瞑想の効果
マインドフルネス瞑想には短期的な効果と長期的な効果の2種類があります。
マインドフルネス瞑想の短期的な効果
マインドフルネス瞑想の短期的な効果としては、
・リラックス効果
・ストレスの軽減
・集中力の向上
・幸福感の増大
など様々な効果があります。
それぞれの効果がなぜでるのか?一つ一つ見ていきます。
リラックス効果
マインドフルネス瞑想中に行われる深い呼吸は、自律神経系の副交感神経を活性化させます。
副交感神経はリラックスした状態を促進し、心拍数の減少、血圧の低下、筋肉の緊張の緩和をもたらします。
この生理的な変化が、身体のリラックス効果を引き起こします。
ストレスの軽減
マインドフルネス瞑想は、ストレス反応の中心である脳の扁桃体の活動を低下させることが示されています。
扁桃体は、恐怖やストレスの感情を処理する脳の部位です。
瞑想によって扁桃体の活動が減少すると、身体のストレス反応も低下し、ストレスが軽減されます。
また、マインドフルネスはストレスの原因となる自動思考やネガティブな思考パターンに気づき、それらから距離を置くことを可能にします。
集中力の向上
瞑想中に現在の瞬間に集中する練習をすることで、注意力が向上します。
このプロセスは、脳の前頭前野、特に注意制御に関与する領域の活性化につながります。
継続的に瞑想を行うことで、日常生活においても注意を散漫にさせる要因から意識を引き戻す能力が強化され、結果的に集中力が向上します。
幸福感の増大
マインドフルネス瞑想は、ポジティブな感情を促進し、ネガティブな感情との対処能力を高めます。
瞑想により、自己受容と現状受容の感覚が高まり、これが幸福感の向上に寄与します。
さらに、瞑想は脳の海馬や前頭皮質など、感情の調節とポジティブな感情に関与する脳領域を活性化させることが示されており、これが直接的な幸福感の増大につながります。
マインドフルネス瞑想の長期的な効果
長期的な効果としては、
・寿命の延長
・脳の形の変化
・感情コントロール力の向上
・共感力の向上
などが報告されています。
寿命の延長について
体をつくる細胞の染色体の端にあり、「命のろうそく」とも呼ばれるテロメアという領域があります。
実はマインドフルネスによって、テロメアが短くなるスピードが下がるという報告もあるくらい、寿命にも影響があるようです。
脳の形の変化について
マインドフルネス瞑想により、脳の形態も変化します。
不安や恐怖を生み出す、感情の中枢である偏桃体が縮小したり、
偏桃体の機能にブレーキをかけてくれる脳のシステムの、海馬や前頭葉の拡大が見られたりもします。
これらにより、ポジティブになったり、ストレス耐性があがったり、感情コントロールがあがったり、忍耐強くなり、欲求をコントロールできたりします。
実際に瞑想を続けた人と瞑想をしていない人でのうつ病の再発率は44%も下がっているという報告もあるほどです。
また、共感の脳である「島皮質」が拡大し、思いやり・コミュニケーション能力があがる、ダイエット効果、免疫力アップ、頭の回転が速くなるなどの効果があるほどです。
5分でできるマインドフルネス瞑想法の方法
マインドフルネス瞑想にはいくつか方法があります。
王道の呼吸瞑想以外にも紹介をするので、それぞれの生活にあった瞑想法が見つかればと思います。
3つの瞑想法
①呼吸瞑想
目を閉じ、ゆっくりとした呼吸を行い鼻の奥での空気の流れに集中します。
そして、自動思考が浮かんだら優しく呼吸に意識を戻します。
時間は人にもよりますが、初心者の方は5分だけでもやるのをおススメします。
後でも話しますが、1回の瞑想が大事というよりも習慣にしていくことの方が大切だからです。
②食事瞑想
食べ物の見た目、味、食感等に意識を向けて食べます。
これにより、食事の瞬間に集中をしマインドフルネスを実現する方法です。
③歩行瞑想
歩く際に足の感覚、周囲の風景、体の動きに意識を向けます。
移動の時間も瞑想の時間に変えることができます。
毎日の瞑想ルーチンの構築
瞑想の効果を最大限に得るためには、毎日続けることが重要です。
始めは難しく感じるかもしれませんが、毎日少しずつ時間を見つけて練習することで、8週間後には明らかな変化を感じることができるでしょう。
筆者自身も最初は10秒くらいで自動思考がすぐでてきてしまうような状態でしたが、慣れてくると1分、2分と今に集中できる時間が長くなっていくのを実感できました。
トレーニングと同じで、毎日やることで成長の実感が湧き、実際の効果も高まっていくのです。
毎日の日常にマインドフルネスを組み込む方法
忙しいビジネスパーソンにとって、いきなり時間を取ることは難しいかもしれません。
そこで、シチュエーション別にどのように瞑想を組み込んでいけばいいのかを書いてみました。
朝の時間の活用法
一日の始まりにマインドフルネス瞑想を取り入れることで、一日を通して心の平穏を保つことができます。
朝食をとる前や、コーヒーを飲みながら、たった5分間、目を閉じて深呼吸をしましょう。
この時間に、今この瞬間の自分の存在に意識を向けます。瞑想の最後に一日の目標や意図を静かに思い描くのも良いでしょう。
昼休みの活用法
昼休みは、忙しい一日の中で心をリセットする絶好の機会です。
昼食後の数分間、静かな場所を見つけて目を閉じ、呼吸に集中しましょう。
食後の満腹感や、午後の仕事に対する期待など、身体の感覚に意識を向けることで、午後の活動に向けて心を整えることができます。
仕事終わりの活用法
一日の終わりには、仕事のストレスから離れてリラックスするための瞑想を行います。
家に帰る前の車の中、または家に着いてから数分間、静かな時間を作り、その日に感じた感情や経験を振り返りましょう。
この瞑想を通じて、仕事での感情を手放し、今この瞬間に集中をします。
マインドフルネス瞑想を継続するためのコツ
毎日の習慣に取り入れるのって難しかったり、3日坊主の人もいるかもしれないです。筆者自身もそうでした。
習慣化についての記事も今後上げていきますが、今回のマインドフルネス瞑想を継続するために意識すると良いことを書いていきます。
①いきなり長時間やらない
最初に気合をいれて30分も時間を取って行おうとする人がたまにいらっしゃいますが、始めは無理を感じないレベルで行うことが大切です。
まず、「朝の5分の時間から」。
これだけでも十分なので、継続することを大切に無理ないタスクで取り組んでみることがおススメです。
②マインドフルネス瞑想の効果を理解する
続けていくうちに瞑想をすることが目的になり、なんでやっているのかを見失うことがあります。
「行動の目的化」ですね。
しっかりと瞑想を行う、意味やメリットを理解しながらやることで継続をしようという気持ちもセットできます。
冒頭に書いたマインドフルネス瞑想の効果を再度確認をしながら、取り組んでみてください。
まとめ
マインドフルネス瞑想は、ビジネスパーソンが直面する日々のストレスを管理し、感情的な安定を得るための強力なツールです。
毎日少しずつ時間を見つけて瞑想を行うことで、心の平和を取り戻し、より生産的で満足のいく生活を送ることができるので、是非実践してみてください。